熱しやすく冷めにくい
---nob
ほぼ同じくらいの大きさのカップふたつ。片方は磁器、もう一方はステンレス製。
これに熱湯を注いで放置すると、〈どちらが早く冷めるか〉というのを調べてみる。
ステンレスのカップの中には、中空になっていたり、さらには真空になっていたりするのがあるけど、これは、単なる1枚板。
1回目にお湯を入れて直後に測ったら、いきなり10度(5度だったかも)くらい違う。磁器カップの方が低い。ビックリしたけど、考えてみたらカップ自身が暖まるためにお湯は冷めてしまったのだった。おお、これだから紅茶を入れる時に「カップを暖めておきなさい」というわけか。それにしても、こんなに下がるとは思わなかった。
というわけで、今度は紅茶をいれる時のように予熱してからスタート。(さっき入れたのをそのままにしておいただけだけどね)
結論からいうと、〈磁器の方が早く冷めた〉でした。 実は期待どおり。
でも、ついこの前までだったら「ステンレスが早く冷める」と思っていた。だって、そんな感じでしょ?お茶いれると、すぐに外側が熱くなるし。
そう、お湯の熱がカップに移るところまでは、たしかにステンレスの方が断然速いのです。ところが、そのカップから外に熱が逃げるところがどうか? そもそもカップから熱が逃げる経路は何か、と考えると、
1.上面から
2.側面から
3.底面から
があります。あえて書かなかったのですが、カップにはラップでふたをして、発泡スチロールの板の上に乗せておきましたので、1と3の熱の出はかなり小さくなりそうです。
残る「2」ですが、側面からはどうやって熱が逃げるのでしょうか。まわりには空気しかありません。ここでの熱の伝わり方は、「伝導」でも「対流」でもなく「放射」です。 この放射が、磁器と金属とでどちらが大きいかというと、磁器の方が大きいので、より多く熱を放出して、「早く冷めた」というわけです。
・・・と言いたいところだけど、まだまだ怪しいですね。ちゃんと実験しないと。
「金属からの放射熱は小さい」というのは、まあ元からわかっていることだから、正しいとしても実は面白くない。
で、現実的に「ステンレスカップの方が冷めにくい」と言うことなら面白いけど、そう言い切るためには、フタしたり、発泡スチロールの上に置いたりしてはいけませんからね。 でも、「カップを予熱しなくても大丈夫」というのは言えそうで面白い。 カップはすぐに熱くなるのに、なかなか冷めない、とすればこの記事のタイトル通りになるではないか。
October 23, 2004 at 12:43 PM in 科学 | Permalink
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Comments
nobさま、はじめて書き込みます。
確かに「放射」は金属より磁気の方が大きいとは思いますが、冷却時の熱伝達経路が『「伝導」でも「対流」でもなく「放射」』ってぇのは、ちっと勇み足のような。そりゃぁ、真空中で実験したんならまだしも、周囲は空気だらけですから、空気との接触による「熱伝導」は無視出来んと思いますよ。特に、上面はラップで覆っただけですから、液面からたっぷりと蒸発潜熱を奪った上記がラップのトコで外気に冷やされ凝結して、水中に落ちて水温がまた下がるって冷却過程の影響は、かなり大きいと思います。下手したらカップの壁面から逃げていくより、ぎょうさんの熱が逃げる可能性もあるかも?(写真を見たら磁器のカップの方が口がちょっと大きそうやし・・・)
Posted by: 温泉カワセミ | Oct 24, 2004 9:19:41 PM
温泉カワセミさん
コメントありがとうございます。他でいつもお見かけする方に来ていただけるのはうれしいですね。 こんなこと話題にしたことも聞いたこともなかったし。
さて、まず「空気との熱伝導」なんですが、これはちゃんと勉強したことはないのですが、「ほとんどない」と信じてました。読んだ本が1800年代のものなんで笑われちゃうかもしれませんが。かつ、もしかしたら「気体同志」に限った話かもしれません。考えてみたら、「空気との熱伝導」が無視できるのなら、魔法瓶を苦労して真空にすることありませんね。(もっとも、空気との伝導が重要であれば、ステンレスの方が冷めそうな気はします)
次に「ラップ経由の熱」の件。これと、放射熱との大小については全く情報なしです。それにしてもステンレスと磁器で条件が同じであれば相殺されますが、少々磁器の方が大きいのがイタイですね。
感触はつかめたので、同じ形の容器を作って、もう少しマシな実験もしてみます。 ただ、ぼくのやる実験はしょせんはいい加減なので、「ふつうに使うような条件で」かつ「同じような大きさの器」で比較する実験の方が意義があるのかもしれません。おっしゃるように「金属より磁器の方が放射熱が大きい」などと言っても、(専門家に「あたりまえ」と言われるてオシマイですが、「このカップとこのカップとどっちが早くめると思う?」というのであれば、シロウト相手の話になりますから、面白いかもしれません。
ともあれ、思いがけずコメントいただき感謝しています。これからもよろしくお願いいたします。
Posted by: のぶ | Oct 24, 2004 9:49:09 PM
nobさま
>ともあれ、思いがけずコメントいただき感謝しています。これからもよろしくお願いいたします。
いえいえ、NATROMさんトコのBlog(http://d.hatena.ne.jp/NATROM/)で紹介されてたリンクを辿ってやってきたら、セラミック屋としてはちょっと面白げな内容でしたので、ついつい書き込んでしまいました。(あっちでもカキコしたので、本家に何も書かん訳にはイカンですし(^^;))
>もっとも、空気との伝導が重要であれば、ステンレスの方が冷めそうな気はします
他の条件が同じで外壁伝って熱が逃げるだけを考えればそうですね。でも余熱の条件が同じ温度・量のお湯を入れただけだと、各カップの熱容量が違うでしょうから、最終的に余熱したスタート温度も変わっとるでしょうね。もし今度やる時は、大きめの鍋で両方のカップを同じ鍋でしばらくの間等温になるまで煮て(コトコト煮沸するのが良いかな?)なんて作業をしないと他の要素がキャンセル難しいですね。あと、やっぱり「気液界面」があると蒸発潜熱考えない訳にはイカンですよね。数字で考えると、水の比熱が4.2kJ/kg・Kで気化熱が2250kJ/kg・Kだそうですから、1gの水が蒸発することで1℃冷やせる水は500g以上になりますからねぇ。人間の体温調節だってこの理屈ですから「体感」出来ます(私は汗かきなんで特に・・)し、そりゃぁ台風作る原動力なんですからエネルギー的にもバカにはなりませんよ。
>「ふつうに使うような条件で」かつ「同じような大きさの器」で比較する実験の方が意義があるのかもしれません。
これだと、確かに今回の結果でも良いのかも知れませんね。ただそれならカップ下の発泡スチロールと開口のラップが、ちと余計ですかね?
ついつい「ツッコミ屋」の性格が出てしまいました。また、時々書き込むかも知れませんが宜しくお願いします。
Posted by: 温泉カワセミ | Oct 24, 2004 11:37:55 PM
「実用に即した実験」か「理屈を見せる実験」か。今回は、どっちつかずになってしまったのが敗因でした。本音としては「ステンレスの方が冷めにくいだろう」という仮説にとらわれすぎて、ラップてふたしたり、発泡スチロールに載せたりしてしまった結果、「実用的環境」からはかけ離れてしまいました。
おっしゃるとおり「気化熱」は大きそうですねぇ。「気化熱はバカにならないから、鍋にはフタをしろ」なんて言っているのにね。
次回は
・両カップをナベで熱して
・ふたをせず
・テーブルに直に置いて
やってみます。
(発泡スチロールの影響が大きいなら、それはそれで「断熱ソーサー」を流行らせればよい?)
あと、やりたいのはステンレスカップの表面に細工をすること。
フェルトを貼る、セロテープを貼る、などなど。
Posted by: のぶ | Oct 25, 2004 10:55:19 AM